広島高等裁判所 昭和28年(う)606号 判決
本件犯行当時灘尾弘吉が未だ立候補の届出をしていなかつたことは所論のとおりであるから、公職選挙法第一二九条によつて選挙運動をなし得なかつたこと勿論であつて、この意味における選挙運動をなし得べき者の存しなかつたことは明らかである。しかしながら同法第二二一条第一項にいうところの選挙運動者は、右の者に限ることなく立候補届出前に選挙運動を行つた者をも包含する趣旨であることその規定に徴して明白である。そして本下良蔵がこゝにいうところの選挙運動者であつたことは、原判決挙示の証拠によつて十分に認められるし又被告人等が右本下良蔵が饗応者であることを承知して饗応をうけたものであることは、右の証拠によつて明らかであるから、論旨は理由がない。